90回箱根駅伝 拓殖大学の不安要素
続いては、前回は箱根不出場、箱根予選会9位通過の拓殖大学の不安要素について・・・過去10年の箱根成績はこのようになっております。やはり、予選会を下位通過している大学だと、色々と不安なところも見えてきてしまいますね。。。前年度と同じ通過条件での予選会だったとすれば、インカレポイントで逆転されて10位、予選落ちをしていたわけですからね。。。
まずは選手層について不安が残ります。30分きりは何とか10人揃ってきましたが、29分半切りとなるとわずかに3人しかいません。最近はある程度条件のいい記録会にも参加してきているので、そう考えるとまだまだ選手層が薄いのかなと思ってしまいます。ハーフの距離を考えても、予選会で2桁が6人しかいませんし、140位以下が5人というのはちょっと多すぎますよねえ。箱根は3大駅伝の中でも最も選手層が問われますし、どこまで底上げが出来ているのか気になります。
エース力は本来ダンカンがおり、佐護もいる拓殖ならば心配無いと思っていたのですが、予選会でダンカンは序盤先頭集団についていったものの、終盤は第二集団を走っていた日本人に何人も抜かれてしまい、結局17位という結果・・・オムワンバ、キトニーといった他の留学生に比べると、安定感がない印象は否めません。正直、1年の時が一番強かったような気もしてしまいます。日本人エースの佐護も1万m28分台、ハーフ2分台の記録はもっているものの、箱根予選では36位、全日本予選も3組6位と他大のエースと比べると見劣りしてしまうのは否めません。
山の5,6区も不安要素の一つです。前回は箱根に出場できず、3大駅伝経験者はダンカン、佐護、奥谷の3人のみ、いずれも山の経験はありません。それだけではなく、過去10年で4度出場している箱根において、5,6区で区間一桁で走れたことがありません。シードを獲得した時でさえ、5区11位、6区18位という成績でしたし、6区に至っては18-18-18-17と最も良かったのが17位という惨敗ぶりです。確かに6区は差がつきにくい区間ではありますが、最近は60分切りの選手も増えてきて、6区での出遅れが以前よりも痛いように思えます。予選会上がりということもあり、どこまで山対策ができているのかというのも心配になります。
また、先程も少し触れましたが経験不足というのもやはり心配です。箱根経験者が3人しかいないというだけではなく、過去10年で4度しか箱根に出場出来ていないという大学としての経験不足もあります。箱根以外の3大駅伝出場も2011年度の出雲ただ1回のみです。単独走となることが多い箱根でどこまで走れるのかというのも気になりますね。
1区も過去4回の出場で一度も区間一桁で走れていないということが気になります。20-12-17-17という区間順位です。シードを獲得した2010年度は1区で差がつかなかった上に2区にマイナがいましたからね。今回の1区は有力校の区間配置によってはハイペースになる可能性も高く、そうしますと1区で出遅れてしまった場合、2区を走る可能性の高いダンカン or 佐護 では盛り返しきれない可能性も出てきます。今年の出雲・全日本を見ても1区の重要度は高くなってきていますし、1区での出遅れは例年以上にリスクが高いです。
やはり、戦力を見る限りシード権を狙うのはまだ厳しそうですかねえ?箱根予選でも9位通過でしたし・・・前回シードを獲得した時は、きっちりと箱根予選をトップ通過していますからね。箱根ではやはり往路をどれだけ凌げるかがポイントになってきそうです。ここで中位くらいで凌げればシードの可能性もあるかと思いますが、現実的には往路が終わってシード権からかなり離されてしまいそうな気がします。とはいえ、増枠の箱根予選9位から箱根4位に躍進した大東大の例もありますし、地獄の阿蘇合宿を乗り越えてきた選手たちの意地にも期待したいと思います!