2013年世界陸上~男子10000m結果雑感~
世界陸上がついに始まりましたねー。いきなり1万mの男子決勝が行われるという長距離ファンにとっては楽しみな状況。まして、高校は佐久長聖、大学は駒澤大学を応援している私としては、佐久長聖出身の佐藤悠基、大迫に駒澤出身の宇賀地という最高のメンバーでのレースでした。
序盤から日本記録に近いペースでレースが進む状況、ペースの上げ下げも激しくこれは日本人にとっては慣れていない辛い戦いですよねー。日本歴代トップ5に入るような持ちタイムを持っている3人でさえ、今回の出場者の中で見ても20位以下というタイムですからね。。。世界のレベルは本当に高いです。
序盤は中盤からやや後ろでいい位置で走っていた3人ですが、最初に悠基が遅れてしまいました。明らかにおかしい走りでそのあともずるずると後退してしまい、最後には5000~6000mの間くらいで棄権となってしまいました。国内では日本選手権を3連覇するなど圧倒的な強さを見せている悠基ですが、世界の舞台ではなかなか結果を出すことができませんね。。。悠基が棄権した後、足を抑えていたのが気になります。5000mもA標準を突破して出場権がありますが、どうやら出場は難しそうですね。。。1万mを棄権して5000mに出場できるとも思えませんし・・・残念です。
次に脱落してしまったのは大迫、何とか集団に喰らいついていましたが、徐々に後続に位置するようになり、最後は一気に集団から置いていかれてしまいました。明らかに苦しそうな表情になってしまいましたねえ。あの表情を見たのは、去年の出雲以来かなあ・・・それでも、前半13分53秒で入り、6000m付近で集団から遅れてしまいながらも、28分19秒でまとめたのはさすがは大迫といったところです。世界の舞台を経験して、また一回り大きくなってほしいですね。それにしても、世界陸上という格上ばかりの舞台で力を発揮するのは本当に難しいですね。。。
日本人で最も好成績を収めたのは日本選手権3位だった宇賀地、ラストスパートの切れでは悠基、大迫には及ばないものの、外国人選手にも負けずについていき、日本人選手との争いでは常に先頭を引っ張る強気な走りは、世界陸上でも一番通用する可能性はあるかも?と思っていましたが(単に宇賀地ファンな贔屓目だったからかも・・・)27分50秒で15位と健闘しました。ずっと集団についていき、集団から落ちてしまった後も大きく離されることなく、粘る走りを見せてくれました。これまたファン目線ですが、宇賀地のあのがむしゃらな走りは感動させられるんですよねー。27分台を好条件の記録会だけではなく、世界陸上という世界最高峰の舞台、モスクワとはいえ暑い8月に出せるというのが宇賀地の凄さですよね。自己ベストから10秒しか遅れていませんからね。
正直、日本選手権で3位になったときには世界陸上に選ばれるのは厳しいかもと思っていましたが、最後の枠で選ばれ、27分50秒という世界陸上の1万mでは日本人歴代2位の好タイムで走るのですから、勝負強いというかなんというか・・・代表を選ぶ基準もどうなんだろう?と思っちゃいますね。ラストスパートに強い選手が世界陸上に出ても、正直ラストスパートの争いになるまでついていけないわけですから・・・まあ、明確な基準がないとマラソンのように揉めることになるでしょうから、しょうがないとは思いますが。。。そいえば、レース後のコメントでマラソンに挑戦するようなことを話していましたね。悠基も東京マラソンを一度経験していますし、1万mで日本歴代トップクラスのランナーがマラソンでどこまで勝負できるのかも楽しみです。
優勝したのはイギリスのファラー、ロンドンオリンピックでの5000m、1万mの2冠に続いての栄冠となりました。まさに、今最も強い選手ですね。ラスト勝負のファラーvsジェイランは2年前の世界陸上を思い出しました。前回は驚異的なスパートを見せて最後の最後に逆転したジェイランでしたが、今回はファラーに軍配があがりました。次の5000mも優勝候補でしょうねえ。ロンドン五輪に続いての2冠はなるでしょうか?2位に入ったジェイランは元HONDAの選手ですし、3位に入ったタヌイも日本の実業団の選手ですね。世羅高校出身のカロキも世界陸上に出場していますし、留学生や日本の実業団を経験した選手が活躍するのを見るのは嬉しいと同時に、日本人だってという思いもあります。
しかし、放送はなかなかに手厳しかったですね。注目競技は男子100mや女子走り幅跳びで男子1万mは直前にようやく取り上げる程度・・・そして、室伏が出ていないハンマー投げ予選B組の様子を間にちょいちょい挟んできたり、日本人が出場していない女子走り幅跳びも美人ジャンパーがいるからという理由?で取り上げている・・・男子100mも男子1万mもそこまで世界との立ち位置は変わらないと思うのですが・・・箱根駅伝だけが注目されるのではなく、もっと多くの人がトラックも含めて長距離に興味を持ってくれたら嬉しいです。
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