全日本大学駅伝2017結果 ~神大が20年ぶりの優勝!!~

本日行われた全日本大学駅伝、前評判では2強と目されていた東海、青学を抑えて見事に神奈川大学が20年ぶり3度目の優勝を果たしました。神大は鈴木健を欠いたとはいえ、出雲で主力が奮わなかったこともあり、評価がやや下がっていましたかね。全日本ではメンバー全員がしっかりと合わせてきました。

 

レース結果も既に公開されており、私のHPにも関東勢だけですが、反映しております。大学ごとの振り返りは、後日行いますので今日は区間ごとの振り返りとシード獲得校+αについて見ていきます。今回はコンディションがよく、追い風の区間も多くて好タイム連発、優勝した神大は歴代2位のタイムでした。

 

1区

東海の鬼塚、創価のムイルらが順番に先頭を引っ張る中、ムイル、早稲田の太田が抜け出したと思えば、追いつかれ、さらに東洋の相澤が抜けたりと目まぐるしく展開が変わりましたね。そんな中、区間賞を獲得したのは相澤、3度目の3大駅伝で初の主要区間、そこで見事な走りを見せました。1秒差で駒澤の片西が続き、こちらもイマイチだった出雲から立て直してきました。太田が4秒差、神奈川大の山藤が5秒差と4人が5秒以内という混戦でした。

 

優勝候補と目された東海は鬼塚が35秒差、青学は中村祐が1分22秒もの大差をつけられてしまうことに。下位では、大東大の川澄が20位、明治の南が21位、順大の橋本が23位と遅れてしまうことに。川澄、南は箱根予選で好走、橋本は出雲で好走した選手なのですが、全日本では苦しい出だしに…関東勢以外では、皇學館の川瀬が区間10位だったのが光りましたね。初出場の1区とは思えない素晴らしい走りでした。

 

2区

エース級が集まった中、区間賞を獲得したのはやはり青学の田村、本当に頼りになる存在ですね。総合順位を10→6位に上げ、まずはシード圏内に戻してきました。トップ争いでは東洋の渡邊が駒澤の工藤や早稲田の安井、神奈川の大塚といった実力者から抜け出して区間2位、総合トップに立ちました。区間3位は順天の塩尻、22→12位と一気に10も順位を上げてきました。どんな位置でも前を追える選手、強いです。

 

駒澤の工藤は区間4位で総合2位、ダブルエースを起用した狙い通り、好位置でのスタートとなりました。区間5位に東海のルーキー塩澤、1,2区でルーキーが起用されたのは塩澤だけでしたが、見事に優勝候補の2区として、その大役を果たしました。総合でも8→5位と3つ順位を上げることに。法政のエース坂東も6位とまずまずの走り、15→9位と一気に6つ上げてきました。

 

ここで下位に沈んでしまったのは、明治の坂口、映った時は足を攣っていたのか明らかにおかしい走りでしたが、まさかの区間25位、総合でも23位に下がり、危機的状況に。。。1区で出遅れた大東大の林、城西の西嶋らも下位に沈み、区間順位が総合順位に近くなるという駅伝のよくある展開にハマってしまうことに。関東勢以外では関西学院の実力者野中が11位、京産大の上坂が14位、立命館の小岩が15位と関西勢が揃って関東勢に割って入ってきました。

 

3区

2年連続の区間賞を獲得したのが東海の館澤、やはり3区ではレベルが違いますよね。総合でも5→2位と順位を上げてきました。一方の青学は6→5位と1つ順位を上げるにとどまり、区間順位も4位に。そんな中、割って入ってきたのが法政の佐藤、既に坂東に次ぐエースだと思っていますが、ここで区間2位の快走を見せました。箱根では2年連続6区での走りなのか他の主要区間なのか楽しみです。

 

区間3位は東洋のルーキー西山、最短区間の起用で状態は?と思いましたが、しっかりとトップを守り、後続との差を広げました。5位には神奈川大の荻野が入り、出雲に続いて安定した走りを披露、故障から復活した駒澤の物江も区間6位はまずまずですかね?区間7位、順大の清水は出雲の撃沈からしっかりと立て直してきました。3区は関東勢が1~15位を独占、やはり3区に実力者を置くのは関東勢以外では難しいですかね。。。

 

4区

ここで区間賞を獲得したのは城西の菅、これはびっくりしました。13→11位と2つ順位を上げましたが、この位置でしかも主要区間ですからね。3大駅伝は過去4度の出場でいずれも1ケタ順位でさえ走れていないのですが、ここで一気に区間賞、箱根が俄然楽しみになってきました。区間2位は東洋のエース山本修が順当に入りましたが、区間賞には2秒届かず。

 

3位には青学の森田が入り、いよいよ3位まで順位を上げることに。一方でここエースを起用してきた東海の關は区間6位と奮わず…この走りが後々まで響くことになってしまったかなあ。順大のエースの一角である栃木が区間4位と上々の走り、出雲ではもう一歩だった鈴木祐が区間5位で走ったのも大きかったですね。5区以降に希望を残しました。

 

シードを争う大学では、中央学院の高砂が10位ともう一歩…どうも昨年度のような力強さが見られないですね。コンディションが悪い選手がいると監督が言ってましたが、高砂もその1人?早稲田の藤原も区間13位、山梨学院の市谷は区間16位とシードを狙う両校にとって苦しい区間となってしまいました。大東大の原は右のふくらはぎを攣ってしまったようで…前回の全日本に続けて悔しい走りになってしまいました。全日本大学選抜で出場した住吉は区間8位と上々の走り、箱根では国士舘のエースとしてこの経験を活かしてくれれば。

 

5区

ここで素晴らしい走りをみせたのが神奈川の越川、区間2位に21秒差をつける走りで区間賞を獲得、個人的に前評判との比較で言えば、最も優勝に貢献した選手では?と思っています。トップと1分以上あった差が11秒になり、さらに東海、青学に対して苦しい区間だと思っていたのが、逆にアドバンテージを得る結果になりましたからね。東海の湊谷も区間2位、長い故障からしっかりと復活してくれました。2年生に負けていられませんね。

 

ここで苦しんだのが青学の下田、元々万全では無かったのでしょうが、足を引きずるかのような走りでしたし、区間4位でまとめたものの、トップとは57秒離されることに。そこに割って入ったのは帝京の畔上、さすがは箱根予選日本人トップの選手、しっかりと区間3位以内で入ってきました。箱根では主要区間を担ってくれれば。ルーキーが4人走ったものの、駒澤の加藤の7位が最高、國學院の臼井は9位、明治の大保は13位、宍倉は20位という結果に。臼井の9位はまずまずも、他の選手は苦しい走りに。特に宍倉はこれで総合6→8位と順位を下げ、シード争いから大きく後退してしまうことに。

 

6区

優勝争いが混戦になりながらも、アンカーに鈴木健を擁している神奈川大が区間が進むに連れて有利になっていく状況、ここで区間賞を獲得したのが駒澤の堀合、これはちょっとびっくりしました。安定感があり区間5位くらいでは走ってくれればと思っていたのですが、駒澤得意の6区で見事な走りでした。6区はタイム差が小さく、1秒差の2位で東海の國行、ここでついに総合でも1秒差ですがトップに躍り出ることに。

 

区間3位に早稲田のエース永山が入り、万全では無いでしょうがしっかりとまとめてくれました。シードラインとは45秒差の7位という位置に。区間4位タイに青学の竹石、神奈川の安田がともに11秒差で入り、ここでは差がつかずに勝負は7区以降に…中央学院のルーキー高橋は区間6位と粘って総合6位を守った一方、東洋のルーキー浅井は区間16位に沈んでしまうことに。他の上位校が軒並み上位だっただけに痛く、総合で1→4位と一気に3つ順位を落としてしまいました。大苦戦の明治は、唯一の4年生である末次が区間8位と初の1ケタ順位で走ることに。。。

 

7区

ここで会心の走りをみせたのが明治の阿部、総合17位という厳しい位置から見事に区間新記録の快走、今年度はずっと阿部も明治も苦しんできましたが、最後にその力を見せつけました。区間新が評価されてMVPも獲得、ずっと暗い話題が多かった明治に久しぶりに明るい話題が。。。総合でも15位に上げています。

 

区間2位に東海の三上、強いですねー。3度の3大駅伝出場でいずれも区間2位以内です。神奈川大とは17秒差を付けてアンカーの川端に託すことに。神奈川の大川も遅れたとはいえ、区間4位でまとめていますからね。青学の小野田も区間3位、こちらも5度の3大駅伝出場でいずれも区間3位以内という安定感ですが、トップと1分6秒差の3位という位置では、さすがに優良争いに加わるのは厳しい。。。

 

区間5位に駒澤の大聖、2年生の3大駅伝デビューとなりましたが、上出来の走りだったのでは。同じ埼玉栄高校の先輩である東洋の小笹も抜いた総合4位に浮上、小笹も区間8位でまとめたのですが、総合5位に順位を下げています。シード争いは3大駅伝デビューの有馬が区間7位でまとめたのが大きかった。逆に早稲田のルーキー吉田は区間15位、6位と1分28秒の差がついてしまい、シードは厳しい状況に。早稲田のルーキーは2人出場しましたが、いずれもほろ苦いデビューとなりました。7区も1~15位を関東勢が独占となりました。

 

8区

優勝争いは実質、東海と神奈川大の争いとなった最終区、東海の川端も実力者ではありますが、神奈川大の鈴木健は日本人大学生No.1ランナーの呼び声が高い選手、2km過ぎには17秒差を埋めると、その後は前に出て、徐々に差をつけていくことに。前半は川端も粘っていたのですが、鈴木健の強さは後半ですよね。ここで一気に差をつけて区間2位、57分24秒の好タイムで見事20年ぶりに優勝のゴールテープを切りました。箱根もますます楽しみになってきますね。全日本のようにしっかりと合わせられれば、ひょっとするかもしれません。

 

区間賞はやはりニャイロでしたが、好条件だったにも関わらず57分6秒と57分台の走りは不本意かなあ?最初から突っ込んで入ったようですし、もらった位置がシードラインと5分差の13位では厳しすぎますね。それでも総合9位まで順位を上げての3年連続区間賞は素晴らしいです。

 

区間3位に東海の川端58分59秒での区間3位ですから決して悪くは無いのですが、鈴木健は1分35秒前ですからね。この距離で日本人選手が勝つのは極めて困難ですね。。。区間3位~9位までがわずかに31秒差と3位以降は混戦、59分台が12人も出たことからも、絶好のコンディションだったことが分かります。

 

区間4位は青山学院の鈴木、やはり力のある選手ですが、連覇を狙った青学は、総合で3位に留まりました。区間4位タイで東洋のルーキー吉川が入ったのはちょっとびっくり、ルーキーが3人出場した東洋、さすが実力者揃いです。順位は上げられませんでしたが、きっちりと総合5位でシードを確保しています。駒澤の山下は区間7位と上々の走り、叩き上げの選手がいきなり最長区間の8区デビューはびっくりしましたが、しっかりと2年連続の4位でシードを守りました。

 

早稲田の石田は区間6位で走ったものの、区間9位で走った中央学院の細谷を19秒詰めるに留まり、総合7位でシード落ち…一方で中央学院が2年連続のシード獲得となりました。帝京の8位も上出来ですかね。箱根予選に出場した大学の中では最上位、さすがは箱根予選トップ通過だけのことはありますね。箱根シードに向けても期待の高まる結果となりました。

 

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