選手特集(18卒) 順天堂大学:栃木 渡 ~年々成長した証を見せるエースがチームを導く~

2019年9月27日

4年生個別特集、続いては順天堂大学の栃木 渡について高校時代~大学4年間を振り返っていきます。高校時代から活躍し、大学でも4年間着実に成長を遂げている選手というのも珍しいですよね。ここまでの選手になるとは、高校時代や下級生の時には思いませんでした。

 

高校時代

栃木県の大平中学時代、都道府県対抗駅伝に2区で出場、ここで8分51秒、区間9位で走っています。世代トップとまではいかないまでも、上位の力があったことが分かりますね。佐野日大高校時代、国体3000mでは予選を8分31秒で3位通過、決勝では8分23秒で5位に入る好走を見せました。さらに、都大路では1年ながら4区に起用されると、ここで区間14位と上々の走りを見せました。

 

高校2年時は最も目立たなかった1年となってしまったかなあ。インターハイ、国体には出場出来ていませんし、駅伝シーズンも白鴎大足利に敗れ、都大路には出場出来ていませんからね。1年時の活躍からすると、物足りない1年になってしまいました。

 

3年時、インターハイには5000mで出場したものの、予選では14分49秒の12位、残念ながら決勝には進めませんでした。国体にも出場しましたが、こちらも14分36秒で18位止まりと満足のいく結果は残せませんでした。トラックの高校ベストは14分20秒ですし、ちょっと中学3年や高校1年の時と比べると他の選手に差をつけられている印象は否めず。。。

 

駅伝シーズン、都大路に2年ぶりの出場を果たすと、最長区間の1区を任されて区間22位、都道府県対抗でも同じく最長区間である5区を任されますが、こちらも区間22位、トラック、駅伝ともに全国の舞台で戦ったものの、苦しいレースとなりました。

 

~大学時代

1年生

全日本予選では1組を任されると区間20位、まずまずの走りを見せました。まず、栃木の評価を高めたのは箱根予選ですかねえ。ここで53位とチーム4番手の走りを見せてくれました。当時はどちらかと言えば短い距離の方が強い選手という印象でしたので、いきなり20kmで結果を残してきたのはちょっとびっくりしました。

 

しかし、その後出場した全日本では5区14位、箱根でも8区15位といずれもいわゆる繫ぎ区間で下位に沈んでしまい、力を発揮することは出来ず…その後、学生ハーフで63分56秒と上々のタイムをマーク、1年時から長い距離に対応してきたのは良かったですね。

 

2年生

関東インカレではハーフに出場すると9位と好走、後一歩で入賞という走りを見せてくれました。全日本予選では2組を任されると、14位と前年度よりも順位を上げてきました。チームも2年連続で予選を突破しています。箱根予選では55位とほぼ前年度と同じ順位、チーム5番手とこちらもまずまずの走りを見せています。全日本では最長区間である8区に抜擢されましたが、区間11位…3大駅伝にはここまで3度出場し、いずれも二桁順位と苦しい走りが続きました。

 

そんな中、駅伝で結果を残したのは箱根、4区を任されるとここで区間3位の好走、総合順位も10→6位と4つ上げ、6位でのシード獲得に大きく貢献しました。さらに、ハーフで63分ジャストと大学ベストとなるタイムをマーク、この箱根以降、一気にチームの主力へと成長を遂げていくことに。。。

 

3年生

関東インカレでは2年連続でハーフを走りましたが、まさかの70分オーバーで39位に沈むことに。しかし、その後はすぐに立て直し、5千で大学ベストとなる14分2秒をマーク、そして迎えた全日本予選では最終組を任されて16位と上々の走り、他の選手が奮わずにまさかの予選落ちとなってしまいましたが、最終組の大役を果たしてくれました。出雲では最短区間の2区に起用されるという意外なエントリー、結果は7位と奮いませんでした。

 

その後、1万mでは28分44秒の好タイムをマーク、すると、距離が伸びて準エース区間となった4区を2年連続で任されると、ここで区間賞という会心の走りを披露、2年連続で総合順位を10位→6位に上げるという珍しい結果でチームの4位の立役者の1人となりました。やはり、箱根で2年連続の快走というのが栃木の評価を高めましたよね。

 

4年生

さらなる飛躍を遂げたのが4年時、ユニバ選考となった兵庫リレカでは、ともにダブルエースとしてチームを牽引する塩尻を抑える走り、タイムも28分19秒と素晴らしい走りでユニバ代表の座を勝ち取りました。ダブルエースと言えども、正直塩尻に次ぐ存在という位置づけだっただけに、この走りは大きかったですね。その勢いは留まることなく、関東インカレでは5000mで5位、1万mで6位とダブル入賞、いずれも塩尻には遅れてしまいましたが、関東インカレ1部でもその力を存分に見せてくれました。

 

全日本予選では当然のように最終組を任されることに。チームはボーダー争いに巻き込まれる苦しい状況でしたが、ここできっちりと9位で走り、チームを2年ぶりの全日本に導きました。ユニバーシアードではハーフで出場し、6位入賞を果たしています。ただ、駒澤の片西、工藤、神奈川の鈴木がメダルを独占したことを考えると、3人に離されてしまったのは残念でしたね。

 

大学トップクラスのランナーへと飛躍を遂げて迎える駅伝シーズン、今までチームが出場した3大駅伝(6回)、予選(6回)のいずれも出場してきており、今年度も当然フル出場が予想されます。今まで以上に栃木にかかる期待は大きいでしょうし、勝負レースで外さない走りを続けているのは頼もしい限りですね。順大のダブルエースの一角として、3大駅伝全てでエース区間を走って欲しい選手ですし、塩尻にも負けないような活躍、見せて欲しいです!!

 

最後の駅伝シーズン、出雲では4区6位とつなぎ区間にも関わらず、ちょっと奮わなかったですね…チームは4位と高順位だったのですが…一方、全日本では総合11位という苦しい位置ながら、4区4位としっかりと立て直してきました。八王子LDでは、28分34秒とセカンドベストをマーク、箱根に向けて期待が高まりました。

 

そして迎えた最後の箱根、9度目の3大駅伝出場で初めて1区を任されることに。ダブルエースとして、差をつけるべく前半から集団を引っ張る積極的な走りを見せたものの、なかなか集団から遅れる選手はおらず…逆に終盤では栃木が先頭から離されてしまうことに。トップと36秒差の区間10位というのは、悔しい走りとなってしまいました。

 

箱根後は、都道府県対抗で栃木県代表として7区で出場、区間10位と上々の走りを見せています。その後は、3月に琵琶湖マラソンに出場しました。コンディションが悪かったこともありますが、2時間24分32秒、苦しい初マラソンとなりました。

 

卒業後は日立物流に進むこととなります。日立物流といえば、実業団に進んでから伸びている選手が多い印象ですね。明治OBの牟田や東農大OBの浅岡などなど…設楽啓太も移籍してきています。栃木も上級生になって一際伸びてきた選手、実業団でのさらなる飛躍を期待したいものです!!

 

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