９１回箱根駅伝を振り返る ～７位：城西大学～
本日は城西大学の箱根路を振り返ってみます。大学別結果、選手別結果はこんな感じです。すみません、正直シードは無理だと思っていました。確かに紘太は大学トップクラスのランナーですし、４年生では横田、寺田が今シーズン実績が豊富、２年生では松村陣、菊地が伸び盛りで勢いがあります。それでも、箱根予選や全日本を見ている限り、しっかりと走れる選手を１０人揃えるのは厳しいのかなと思っていました。
１区は松村陣、紘太を２区に起用するのであれば１区は誰が来ても難しいところですが、全日本、学連記録会と結果を残している松村陣がどこまでやれるかが大きなポイントでした。結果は区間１６位、決して区間順位は良くないですが６３分台では走っていますし、２区に紘太が控えていることを考えれば上出来だと思います。２区は紘太、またしても万全ではなかったようですが、それでもどんどん前を行く選手を抜いていき、区間２位の好走で総合順位も１６位→８位まで順位を上げました。前回の拓殖と同じような展開でしたかねー。１区東島が出遅れることなく、２区ダンカンで一気にシード圏内に上げたように。。。
こうなると、３区を走る横田が非常に大事になってくるのですが、ここで区間１０位の走り、大きかったですねー。３区でまたシード圏外にはじき出されるようだと、そのままズルズルと落ちていってしまったもおかしくありませんでした。それどころか、主要区間である３区で総合順位を１つ上げる走りをしたことで、４区以降も走りやすくなったでしょう。今シーズン、故障の影響もあってか結果を出せていない山本の４区は心配していたのですが、区間１８位と不安が的中してしまいました。ただ、総合順位では１つ落としただけでまだ８位、５区菊地へ繫ぎました。
前回６区で好走している菊地は５区でも９位と区間１桁で走り、８位で往路を終えました。ほぼ計算通りのレースが出来ていたと思います。ただ、８位と言っても１０位のチームとはわずかに１６秒差、シード権確保に向けては予断を許さない状況が復路も続きます。それにしても、菊地は下りだけではなく上りでもいけるのですねー。走力もついてきましたし、チームにとって計算出来る貴重な選手です。来年度は松村陣と菊地のダブルエースという形になるのかなあ？
６区西岡、７区室井と続く３年生は３大駅伝や予選会の実績に乏しく、ここでシード圏外に落ちてしまうのかなと思っていたのですが、西岡が区間１０位と結果を残すと、室井は区間６位の快走、総合順位こそ９位になりましたが、１０位とは２分４６秒もの差をつけ、シード権獲得が現実味を帯びてきました。西岡に６区を任せられることで菊地を５区にコンバート出来、室井も箱根予選を走っていない選手なのですが、見事に箱根に合わせてきてくれました。２，４年生に比べるとやや谷間と思われていた３年生が大きな仕事をしてくれました。
８区黒川も区間１２位と粘り強い走り、前回５区を走っている選手ですし遊行寺の坂は問題無いですよねー。８区終了時でもシード権との差はほとんど詰められることはありませんでした。ただ、個人的にちょっと不安だったのが９区、１０区です。１年生の菅に全日本の最長区間である８区に続いて復路のエース区間である９区を任せなければいけない状況、全日本８区では２１位と大撃沈しています。そして、本来であれば寺田９区が良さそうなのに、１０区ということは何かしら万全ではないのか？という不安もありました。結果として杞憂に終わることになりますが・・・
９区菅は区間１５位とまずまずの走りを見せてくれました。１年生で主要区間を連続して任されるということはそれだけ期待も大きいのでしょう。来年度はチームを引っ張る選手へと成長してくれることを期待したいです。シード権とは１分３０秒差とブレーキさえ無ければ大丈夫だと思っていましたが、寺田が区間賞の走りでチームを９位→７位へと押上げ、シード権獲得となりました。最後に素晴らしい走りを見せてくれましたねー。１０区に寺田を温存出来るだけのオーダーが組めたというのが、箱根予選・全日本からは信じられないです。２区以降は一度もシード圏外に落ちることなく、前評判を覆しての見事なシード獲得でした。
来年度は大エース紘太を筆頭に３区横田、８区黒川、１０区寺田と４人が抜けることになります。さらに、箱根経験者である松村元、二平、杵島凌太も抜けるなど戦力ダウンは非常に大きいです。だからこそ、今回は何が何でもシード権が欲しかったところでしょう。来年度、箱根予選を突破するのは容易では無いでしょうから・・・そんな状況で、箱根予選で９位通過と下位通過ながらきっちりとシード権を確保したのは本当に素晴らしかったですし、来年度以降に繋がる結果だったと思います。新入生でも佐久長聖の長沼、水城の中島を始め面白そうな選手が加入してきます。城西はまだ連続でシードを獲得したことが無いため、戦力ダウンは否めませんが、箱根の勢いそのままに２年連続シードに挑戦して欲しいです。