91回箱根駅伝 駒澤大学の優位/不安要素

2014年12月1日

続いては、昨年度は出雲・全日本を制し、3冠に王手をかけたものの、箱根では10時間台で走ったにも関わらず、東洋の後塵を拝して2位となった駒澤大学の優位/不安な点を考察していきます。・・・過去5年の箱根成績はこのようになっております。今年度は、エースの中村こそ不調に苦しんだものの、他の選手は軒並み好結果を連発し、全日本ではあえて5区で工藤を試したにも関わらず、1区から1度もトップを譲らない完全優勝を果たしました。

 

 

駒澤の最大の不安要素は、ここ6年箱根で勝てていないこと、箱根に全日本ほどのピーキングを合わせられていないことでしょう。優勝を狙える戦力だと思っていた宇賀地世代4年時は星、上野を故障で欠き、撹上世代4年時は撹上が体調不良で出場できず、ともに代わりに走った選手がブレーキしてしまうという結果で優勝を逃しています。今年度ももちろん勝負の年ですが、果たしてベストメンバー、ベストコンディションで箱根に臨むことが出来るのか?そして、ハーフの距離である箱根でも全日本のような走りを見せられるのか?が鍵を握りそうです。

 

 

今年度の駒澤は、間違いなく優勝候補筆頭として臨むことになるでしょう。ここ数年も優勝候補ではありましたが、ここまでダントツの優勝候補というのは、前回優勝した時以来だと思います。それだけに、プレッシャーの大きさも密かに不安要素だと思っています。先ほども述べたように、勝負の年=最もプレッシャーの大きい年に結果を残せていないとも言えますからね。逆に、3位以内には入りそうだけれど、優勝はちょっと厳しいかも?というような時は、ベストメンバーが組めているという皮肉な状況がチラホラ見受けられます。過去5年はいずれも3位以内ながら優勝できていないという箱根での勝負弱さを克服できるのかが気になるところです。

 

 

優位な点は、不安要素以外と言えるかもしれません。村山、中村という大学を代表するダブルエースを抱え、ともに全日本では区間賞を獲得しています。それでもやや物足りないかもしれませんが、前回のように全日本にピークを合わせすぎるよりは良いかなあと・・・山も前回5区3位で80分きりを果たしている馬場、6区5位で走っている西澤がいます。ともに、箱根後にハーフで62分30秒台をマークし、5000m,1万mともにベストを大きく更新するなどさらなる成長を遂げ、どちらも区間賞候補の1人として名を連ねることでしょう。

 

 

また、ここ数年の不安要素だった選手層の薄さは上尾ハーフを見る限り、一気に解消してきたように思えます。全日本を走った8人のうち7人が回避した上尾ハーフにおいて、工藤の62分18秒を始め、猪浦、大塚が62分32秒、63分台で大谷、高本、二岡が走っています。工藤の距離不安が無くなったことで全日本の8人+其田が箱根を走る可能性が高いことを考えると、上尾ハーフで62分台で走った猪浦、大塚のどちらかが補欠に回ることに・・・さらに、63分台を出した選手が複数人控えており、前回優勝した時以上の選手層の厚さが今の駒澤にはあるのではないでしょうか?エース格の離脱は痛いですが、8~12人くらいの戦力は誰が走ってもそれほど変わらなそうなくらいになってきたのでは?

 

 

自己ベストを更新する選手が多く、チームとしても勢いが感じられるのも優位な点でしょう。2014年になってから、5000mではトップ10のうち中村、高本以外の8人がベストを更新、1万mでは中村、黒川以外の8人、ハーフでは其田以外の9人が自己ベストを更新しているという大盛況ぶりで、これだけチームトップ10に入る選手が3部門でベストを更新するというのは駒澤を除いて他にいません。箱根16人に絡んでこない選手はちょっとベスト更新が少ない気もしますが、少なくとも今年度には影響が無いでしょう。

 

 

箱根エントリー16人予想

 

4年:村山、中村、西澤、黒川、猪浦、大谷、小根山

3年:馬場、其田、二岡、井上

2年:中谷、西山、大塚

1年:工藤、高本

 

 

今年度の実績と全日本のエントリーを見る限り、この16人ですんなり決まるのではないでしょうか?4年生は全日本を走った村山、中村、西澤、黒川に上尾ハーフを走った猪浦、大谷、小根山の7人。実際に走るのは4人の可能性が高いかな?と思いますが、この4年生の存在が駒澤の層を厚くしてくれます。3年生は全日本を走った馬場、其田に全日本にエントリーされ、今年度はずっとハーフを中心にレースを重ねてきた二岡、井上の4人。2年生は前回の箱根経験者である中谷、西山、大塚の3人で問題無いかと・・・1年は全日本で好走、上尾ハーフで3位に入った工藤に、同じく上尾ハーフで好走した高本の2人。

 

 

上記16人となれば、まさに盤石のエントリーとなりそうです。優勝候補と言われる他の大学を見ると、例えば青学、明治、東洋は山が未知数であったり、早稲田は全日本で結果を残せていないなど、駒澤が優位な点において不安要素を抱えているのも、駒澤の評価を高める要因となっています。正直、今年度の戦力で優勝せずにいつ優勝するんだ?というくらいの戦力を抱えています。ただ、優勝候補筆頭と言われている大学がそのまま勝てないことが多々あるのも箱根駅伝の面白さであり怖さでもあります。来年度は大きな戦力ダウンが予想されるだけに、何としても今年度の箱根は譲れない思いがあるでしょう。大きなプレッシャーに打ち勝ち、是非とも7年ぶりの箱根優勝を飾ってほしいものです!!

 

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