2014年 全日本大学駅伝結果考察 ~4位:東洋大学~

続いては4位となった東洋大学について、全日本大学駅伝の結果を考察してみます。大会結果はこのようになっております。確定オーダーを見た感想としては、主要区間は力のある選手で組めたものの、いずれも全日本初出場となる繫ぎ区間の選手がどこまで走れるのか?という感じでした。結果は総合4位、2位とも1分以内の差ですし、大したことが無いように思えますが、東洋は過去10大会連続で2位以内を取り続けるという脅威の安定感を誇っていました。また、区間3位以内が勇馬の2区区間賞のみだったというのも、柏原入学以降は1度も無かったことです。3大駅伝全てにおいて区間3位以内を複数人出し続けてきました。もちろん、東洋の高いレベルでの安定感は今回も健在でしたが、柏原、設楽兄弟がいた時ほどではないのかな?とも思ってしまう結果とも言えます。得意の箱根ではしっかりと合わせてくるとは思いますが・・・

 

 

1区は弾馬、ちょっと序盤から走りがらしくない感じでしたね。監督は前日村山兄弟には付かせると言っていたのに、5kmのペースアップにも全く付いていこうともしませんでしたし・・・第二集団でもちょっと余力が無かったのかラストスパートでも遅れをとり、トップと1分10秒差の10位という苦しいスタートなりました。箱根7区区間賞を獲得するなど力のあるランナーですが、さすがにエースが揃った1区ではまだ厳しかったかなあ?優勝を狙うにはちょっと痛い出遅れでしたね。

 

2区は勇馬、最初からハイペースで突っ込むと、後半も粘りの走りを見せ、10位→2位と8人抜きの快走でチームを押上げ、区間賞も獲得しました。やや例年よりもメンバーが揃わなかったとはいえ、エース区間で区間賞をきっちりと獲得するのが、さすが勇馬ですね。これで3区以降のランナーも走りやすくなったと思います。ただ、駒澤にはわずか9秒しか差をつけることが出来ず、まだ1分差が残ったのは誤算だったかな?

 

3区は櫻岡、高校時代から実績のあるランナーで弾馬とともに期待の2年生が3大駅伝デビューです。序盤から突っ込み、一時は青学を引き離しにかかりますが、後半は息切れしてしまい、区間6位でした。3区は4年連続で2位と得意としていた区間なのですが、ちょっと微妙な走りとなってしまったかな?それでも、ここで経験を詰めたのは今後に大きいと思います。まだ、2年生以下は弾馬しか3大駅伝を経験していませんでしたからね。

 

4区は高久、優勝を狙うのであれば実績のある高久で前との差を詰めておきたいところでした。途中まで青山学院と並走すると、途中でペースを上げて振り切り、前を追いかけましたが、結果は区間4位、駒澤に40秒以上離され、総合でも2分差がついてしまいました。決して悪い走りではなかったと思いますが、やはりここでほぼ勝負が決してしまいましたよね。まだ80%くらいの出来ということで、箱根ではまた快走を見せてくれるのでは?

 

5区は渡邉、出雲も出場予定でしたが中止だったため、3大駅伝デビュー戦となりました。安定した走りで区間5位とまずまずですが、最後に後ろから突っ込んできた明治の横手にかわされてしまい、青学の藤川にも30秒詰められて3位でのタスキリレーとなったのが残念かな?両大学にとって6区以降走りやすくしてしまいました。ただ、初出場の選手でも崩れること無く走れるのが東洋の強さですね。もうブレーキというのを何年も見ていないように思えます。

 

6区は今井、前回は箱根で優勝メンバーの一員となりましたが、全日本は最初で最後の出場となりました。結果は区間4位、これまた安定した走りでしたが、途中まで並走していた青学に大きく突き放されたのが残念でしたね。区間順位は悪くありませんが、駒澤、青学ともに45秒以上離されていますからね。高校時代は東北でライバルだった村山謙太の今の大活躍ぶりを見ると、今井にももっと頑張ってほしい!と思ってしまいます。

 

7区は名倉、4年生にして3大駅伝デビューとなりました。これまた区間4位と良くもなく悪くもなくといったところかなあ・・・順位はともかく、同じ4年生の黒川に1分近く離されていますからね。6,7区と順位以上にタイム差が痛かったですね。優勝が厳しい中で何とか2位だけは確保してほしいと思っていたのですが。。。7区終了時に青学には32秒離され、6秒後ろには明治がいるというなかなかに厳しい状況でアンカーにタスキを渡すことになってしまいました。

 

8区は田口、ハーフの距離での田口の強さは際立っていますし、万全ではないという話でどこまでやれるかと思ってみていましたが、序盤は積極的に飛ばし、明治大六野を引き離し、青学神野をどんどん追っていきました。しかし、さすがに前半のハイペースが祟ったのか、後半は大六野に追いつかれると付いていくことが出来ず、総合4位で全日本シード権は確保したものの、出雲シード権を逃してしまいました。それでも区間4位、58分台だった田口はよく走ったと思いますし、神野や大六野を褒めるしか無いかなあ・・・

 

 

何か消化不良なレース展開でしたね。決してブレーキすることはなく、3区以降はずっと区間5位前後で走り続け、2位争いを展開していましたが、1度も優勝争いに絡むことは出来ず、最後は突き放されての4位という・・・設楽兄弟の抜けた穴はもちろん大きいですが、監督も言っていたように、設楽世代が抜けたことによる選手層の低下というのも大きいのでは?従来であれば繫ぎ区間で2,3位で走れていたのが、今回は5位前後に落ちてしまっている感じが。。。やはり、3年連続2位だった間に何とか優勝しておきたかったですよねー。来年度は高久、今井、名倉、田口と4人が抜けることになります。服部兄弟が健在ですが、新戦力の台頭が何人も無いと、また2位に入るのさえ難しくなってしまうかもしれません。

 

 

それでも、箱根では結果を残し続けているのが東洋です。前回も3冠を目指して出雲、全日本を敗れましたが、箱根だけは圧倒的な走りで総合優勝を果たしました。今回の全日本での悔しさを糧に、箱根では連覇に挑んでくることでしょう。前回の経験者がまだ6人残っていますし、今回の全日本で3人が3大駅伝を経験したというのも心強いです。ルーキーは故障者がまだいるようですが粒ぞろいですし、箱根では優勝争いに絡んでくるでしょう。是非とも、箱根では連覇を果たし、やっぱり東洋は今年度も箱根では強い!!というのを見せて欲しいです。

 

 

本日、『箱根駅伝 襷をつなぐドラマ』という本が発売されたみたいですね。著者の「酒井 政人」は元箱根ランナーでスポーツライターのはず・・・チラホラ取材した結果をツイッターで見ている気がします。まだ読んではないですが、多分読むことになりそう。。。駅伝本はついつい読んじゃうんだよなあ。。。

 

 

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